奈良・国宝巡り
※文中、この色の字は表記がない限り国宝です。
12月18日(日)
今日は予定を変更して、当初行く予定のなかった室生寺へ。
室生寺を初めて訪れたのは10年も前のことです。
奈良市内から遠く、交通の便も悪いので、なかなか行くことはできず、3度目の室生寺です。
室生口大野駅からバスで揺られること15分、山の中に室生寺はあります。
予想と違って、雪はそれほど積もっていませんでした。
でも、道にも雪が残っているので、気をつけて歩かないと滑ってしまいそうです。
開門時間は過ぎているのに、受付が開いてなかったのは、ご愛嬌ということで。
慌ててやってきた受付の方が受付を開いたので、受付を済ませて境内へ。
雪で滑らないよう、そろりそろりと石段を登り、弥勒堂・金堂をチラッと見て、さらに石段を登ります。
本堂の脇の石段をさらに登ろうとすると、大きなカメラや三脚を持った人がセッティングしています。
朝一番のバスで来たのに、撮影隊と一緒になってしまいました。
それでも、別にそれほど邪魔にならなさそうだったので、石段の正面に立って石段の上を見上げました。
そこには屋根にうっすらと雪が積もった五重塔がありました。
昨日、駅で見かけたポスターほど雪が積もってないので、撮影隊は残念がっていましたが、
私にとっては初めて見る雪化粧した姿です。
私はそれでも満足でした。
そして、気づきました。この状態では、下から見るより上から見下ろす感じで見た方が、白くなった屋根が見えることに。
はやる気持ちを抑えて、石段を登り、五重塔の脇にある石段をさらに登ったところにあるお気に入りのビューポイントに向かいました。
そこから、振り向きざまに五重塔を眺めると、白くなった屋根がよく見えます。
やっぱり、ここからの眺めがいいなぁと思い、ずっと眺めてしまいました。
この五重塔は私が初めて見た国宝の五重塔であり、初めてじっくり見た五重塔です。
他の五重塔より明らかに小さいのに、存在感があって、とても美しい塔です。
軒の出が深いこの塔を最初に好きになったから、軒の出が深い塔が好きになりました。
それ以上に、この塔と最初に出会ったから、今でも仏塔が好きで、各地を訪れているのかもしれません。
私に仏塔の素晴らしさを教えてくれたいつまでも心に残る塔です。
いつまで見ていても決して飽きることはないのですが、時間はあっという間に過ぎていきます。
1時間に1本くらいしか来ないバスを逃すわけにもいかず、五重塔と別れて、下ることにしました。
途中で金堂の十一面観音立像などを改めて拝観し、釈迦如来立像を見て、やっぱり翻波式がいいなぁと思いました。
釈迦如来立像の後ろに隠れた伝帝釈天曼荼羅にも注意を払い、意識して見ました。
どんなに頑張ってもチラッとしか見えないんですけどね。
結局、塔以外にはほとんど時間をかけることなく、室生寺を後にしました。
さて、奈良市内まで戻り、今度は平城駅で下車、秋篠寺へ向かいました。
持っていた地図ではちょっとわかりにくかったのですが、なんとか迷わずに着きました。
境内には苔むした場所があり、まるで京都のお寺にいるようでした。
本堂は本瓦葺で白い壁と黒くなった柱がコントラストになっており、
新薬師寺や元興寺極楽坊の本堂に共通する奈良らしさを感じました。
本堂内には本尊の薬師如来や不動明王などの仏像が安置されています。
中でも目を引くのが、秋篠寺にしかない伎芸天です。
とても人気のある仏像なのですが、柔和な感じのする、見る者が癒されそうな美しさがあり、それも頷けました。
秋篠寺を後にして、バスで西大寺駅まで出ました。
そこから新大宮駅まで行き、この旅で訪れる最後のお寺・海龍王寺に歩いて向かいました。
海龍王寺には五重小塔という五重塔のミニチュアのような塔があります。
西金堂内に安置された五重小塔はホントにミニチュアのようでした。
ミニチュアのようでも、国宝なんですけどね。
国宝の五重小塔は他に元興寺極楽坊にあり、これでどちらの五重小塔も拝観したことになりました。
海龍王寺からバスで近鉄奈良駅まで戻り、そこから京都駅まで行き、帰路に着きました。
今回の旅は最初の方が調子が悪く、肝心の執金剛神立像を見たときの感動がイマイチだったので、
体調を万全にして、もう一度訪れてみたいです。
そのときには、欲張らずに、執金剛神立像にゆっくり時間をかけたいと思っています。
いつものことですが、せっかく行くんだからと、計画を盛りだくさんにしてしまい、
結局、記憶に残らないものもあるんです。
執金剛神立像を見に行くということは時期が同じということなんですが、この時期には拝観できない
法華寺の十一面観音も見てみたいので、時期を変えて奈良に行ってみたいとも思っています。
ここのところずっと京都がブームで、雑誌にも取り上げられていますが、久し振りに訪れた奈良も素晴らしかったです。
特に建築・仏像に関しては奈良を抜きにしては本当に語れないと思います。
そして、奈良のお寺の持つ時間的・物理的なスケールの大きさも京都のお寺ではなかなか味わえない魅力です。
奈良でしか感じることのできないものに触れたくなったら、また訪れようと思います。